YAMAHA Tenere700レビュー F800GSからTenere700へ乗り換えた話

ついに乗り換えの時がやってきてしまいました。

きっかけ

F800GSが6万キロを迎えたので点検に出しましたが、次回点検でクラッチアッシー交換の提案がやってきました。見積もりこそ出してもらっていないものの、部品代と工賃で30万円ほどかかるとのこと、、、30万円!?
今回の点検+ステムベアリング交換の10万円と合わせると40万円が整備費で消えることに 買い替えたほうが良いよと整備士の助言をもらったのがきっかけ
見た目が大好きなのでお別れは寂しいですが、40万円の整備費が消えるとなるとちょっと、、、下取り価格と合わせれば中古のアドベンチャーが実質無料で買えちゃう
ちなみに、6万キロ走った2009年F800GSは20〜30万円の下取り価格でした。5万キロ超えたらゴミと言われるオートバイ界では割と高値な気がします。

買い替え候補

買い替え候補は4車種
・BMW F850GS
・Yamaha Tenere700
・Hasqbana NORDEN900
・AJP PR7

BMW F850GS

F800GSの後継車 F800GSのようなBMWらしさというか、個性的な部分が削ぎ落とされ、順当進化をした感じ
ガチャ目ヘッドライトは左右非対称なものの、対称に近づき、シート下タンクは廃止で通常のタンク位置、左右逆だったマフラーやチェーンも一般的な配置になり、無個性へシフトしてしまいました。
順当進化と電子制御の強化でオフロードは走りやすいとかなんとか
クルコンや多機能TFT液晶メーターが魅力的で、疲労感も考えたらツーリングマシーンとしてはベストチョイス
ただ、重量が240kg弱とビッグオフらしい重さなのがF800GSで感じたオフロードの限界を感じさせる
あと、単純に維持費考えるとBMWは高い
ちなみに2021年モデルから日本向け生産は行わず、現在の国内在庫をもって新車販売は終了するとのこと
あまり売れていないんですかねぇ、、、

Yamaha Tenere700

今回の選択肢最有力候補 なにより国産バイク(製造は別)で恐らくユーザーも多いという最強の安心感が利点
コンセプトモデルのラリースタイルからほとんど姿かたちを変えずに販売され、見た目はとても好き
ミドルクラスのビッグオフとしても軽量な部類で、200kg程度とやさしい設計
そして他よりも低価格というオフロードバイクとしての性能も良い! ちなみに外装パーツとかもそこまで高くないそうなので、ガンガンぶっ壊せそう
定期点検とかの維持費もBMWの半分くらいで、お財布を考えると間違いない選択肢
国内4大メーカーで、海外先行販売ということもあり、地味にサードパーティー系パーツも揃っている
まだ発売直後だから台数こそ少ないものの、これから道にあふれることを考えると、個性は発揮できそうにないのが懸念点
安心感や便利さと誰も乗っていないという個性は反比例するから仕方ない

Hasqbana NORDEN900

コンセプトモデルのみ発表されたバイク 見た目の珍しさが最高に気に入ったが各部詳細不明
リッタークラスのアドベンチャーっぽく、少々重そうな印象
いつ発売かもわからないが、きっと日本向けは1年遅れでやってきそうな気がする
ハスクだからきっとお高いバイクになるんじゃなかろうか
近い場所に代理店もなく、一番近い代理店も特に印象が良かったわけじゃないので、お店的にハスクは選びにくいかも
検討はしたものの、乗り換え時期と販売時期が合致せず無念

AJP PR7

ポルトガルのメーカーらしい 都内の正規代理店は三鷹のモト・リエゾンさんのみという
他とかぶりたくないとしたら、このメーカーを選べば間違いなし 恐らく死ぬまで路上で同じバイクとすれ違うことはない最強の個性が手に入れられる
見た目はラリースタイルでめちゃかっこよく、重量も160kgと他の選択肢とは比較にならないくらい軽い
モト・リエゾンさんで軽く話を聞いたところ、一部パーツ代は高いけど、基本は国産と大差ないらしく、整備性も一般的なバイクと同じで不安ないそう
来年分が2021年の3月入荷らしいけど、それ以降は日本向けの生産は終わるとか
やはりABS義務化と排ガス規制の波はきつい

結局Tenere700買いました。
YSP杉並北に実車を見に行ったのですが、お店の雰囲気がよく、店員さんも最高に優しい。
バイクも良いけど、お店が購入の決定打になるとは思いもしなかった。
F800GSの買い替え勧められてから次の日に買うことになるとは 任せられると思わせてくれるお店の雰囲気は最高の決め手になるとは思ってもいなかったなぁ

初ツーリング Tenere700 インプレッション

初っ端ですが、高速からワインディング、フラットダートまで一通り走るツーリングやりました。
慣らし前としてはまぁまぁハードなツーリングかも

街乗り

F800GSのメカノイズがうるさかったのか、Tenere700の低回転は静かすぎてびっくり 多少の排気音とウィーンというなめらかなメカノイズが多少聞こえてくるくらい ここは一度だけ乗ったCRF1000Lアフリカツインと似た感じで、エンジンを感じる頃には法定速度オーバーしそうなくらいになってるという感じ エンジンを感じられないと言えばデメリットにも聞こえますが、帰路の下道でストップアンドゴーが多いときは精神的に楽に感じるので個人的には良い点 F800GSのストップアンドゴーはエンジンぶっ壊れる不安が脳裏をよぎっちゃう ある意味生きているエンジン感が強いバイクだったかも
低回転トルクが太めで、F800GSのような回転数の高いギアで追い越しや加速をするような感じではなく、ヌルっとしたパンチの加速で追い越しなどができる感じ
脚付き自体はよくないので、できれば田舎道に抜けたいですが、軽さ的な気軽さ、エンジンのパワフルさでF8よりは気軽でした

高速

慣らしなので4000回転ほどまでしか使わなかったものの、合流や追い越しの加速は無問題 ミドルクラスらしい余裕がある走りは楽ちん
スクリーンは高さこそあるものの、小さめなので防風効果に過度な期待は禁物 よりスクリーンの小さかったF8の方が風防効果は高かったのが意外 それよりも下半身、特に膝下に風がよく当たる F8はシュラウドの張り出しが大きく、下半身の風防もできていたのかと関心 さすがツアラーを作りまくってるBMW Tenere700はそういう意味でもツアラー要素よりもオフロード要素を強く意識したのがよくわかります。

田舎道

法定速度の巡航でのメインギアが未だにつかめず
F8は5速や6速を使っていましたが、Tenere700は4速でも6速でも巡航できる不思議 エンジンが静かで速度感がつかめないのが原因 6速では坂道で速度回復しにくいが、エンジンが苦しいかどうかがあまり伝わらず 最近のバイクは静かすぎやしませんかね、、、
別のバイクに乗ったときあるあるで、速度感がF8とは違い、気づいたら危ない速度というのもたまにあり

ワインディング

ワインディングが楽しい楽しい 歴代乗ってきたバイクの中で、一番素直に車体がバンクするバイク 思った通りのバンク角を狙え、その位置に倒れる際もニュートラルに倒れてくれます 無理矢理倒したりとか、どこか引っかかりを乗り越えて倒すみたいなことがなく、スムーズそのもの オフロードなんかよりもオンロードの方が楽しいんじゃないかって思えてくるくらいにはいい曲がりっぷりでした
エンジントルクが太いこともあり、加速はスムーズ カーブ終わりからの加速は気持ちいいエンジン音がします
ただ、エンジンのバックトルクがきつく、ギアを落とすときつめのブレーキをかけたくらいに減速します これも考慮してブレーキングしないと、

林道(フラットダート)

タイヤに依存度が高いオフロードなので、純正タイヤである点はご容赦ください
細かい砂利がきれいに敷かれたダートで、オンロードバイクでも不安なく通過できるくらいのきれいなフラットダート もちろん不安なく走行できました
序盤はABSを切らずに走行 ちょっときつめのブレーキをかけてみましたが、グダグダ制動距離だけが伸びるような挙動はなし ABSの介入はほどよく調整されてる印象 F800GSはABSを切らないとダートでは永遠に停まれないくらいなので、進化を感じる点 もちろんABSを切ることもできる(リアのみ)
車体の軽さはオフロードでも発揮され、Uターンや乗り降り、少し車体が暴れた時の制動もF800GSとは比較にならないくらいやりやすい もちろんCRF250Lの方がチャレンジできる幅は広いので、250ccと比べちゃいけないです それでもかなり250ccのマインドに近い位置にいる操作感で、色々チャレンジできそうな予感

いいところ

軽い

このクラスのアドベンチャーとしてはめちゃくちゃ軽い!200kgちょい 他のミドルクラスアドベンチャーが軒並み240kgくらいなので、頭1つ飛び抜けて軽い(KTMやHasqvarnaのほぼオフ車みたいなのは除く) 軽いゆえに各種取り回しが楽ちん楽ちん
脚付きが悪いことで有名ですが、脚付きの悪さも車両重量の軽さである程度カバーできているくらい、軽さは正義が生きているバイク
それでいて高速道路の安定感は特に変わらず これからの林道チャレンジでの活躍に乞うご期待

コーナリングが楽しい

ワインディングで感じた倒すことの楽しさは想定外 倒したいところまでのコントロールが自在で、走っていて楽しい 下手なオンロードバイクよりも操作がしやすくて、自分がうまくなったと勘違いするほど このバイクに慣れてしまったら、他の癖あるバイクは乗りにくくて仕方ないと思う モタードバージョン出してもいいんじゃないかって思うけど、今のYAMAHAならやりそう

かっこいい

単純にかっこいいんですよ 特徴的なヘッドライトはコンセプトモデルから大きく形をかえることなく実現したのは素晴らしい コンセプトモデルはスクリーンと一体だったけど、法律的にこれは実現難しいみたいですね CRF250RALLYも同じ理由でスクリーンと別体になってる
リアもフェンダーレスにしなくていいと思えるくらいにシュッとしていてかっこいい
各部の作り込みもBMWとさほど変わらないと感じるものの、それはボロなF800GSだったからってのもあるかも
全体的に細身でシルバーなOUTBACK MOTORTEKのガードがめちゃくちゃ映える
カウル類の塗装もきれいで、赤い部分はラメが入ってて女子高生にもウケる作り込み 地味に赤白モデル買ってよかったと思ってる 青もかっこいいけど、自分の赤白が一番かっこいい
やはりかっこいいと思えるバイクに乗るのが一番大事

微妙なところ

スパルタン仕様のシート

KTMによると「モータサイクルのシートがソファーである必要はありません」とのことです。いや、ソファーがいいです。割とすぐお尻のストレスゲージが溜まるものの、中盤からは溜まりがゆるやか、限界値は高い感じのシートです。希望としては、もう少しお尻に優しくした、、、ただ、ゲルザブを入れたりすると、ただでさえ最悪な脚付き性能が更に悪化するジレンマ 不安な人は素直にローダウン仕様にしておいたほうがいい
ちなみに、2cmUPでクッション重視のシートがサードパーティであるそうな

静かすぎるエンジン

最近の車みたいな静かなエンジン 街乗りではエンジンを気にすることなく快適ですが、エンジンのご機嫌を伺いながら走りたいときはちょっと間隔つかめず 逆に不安になる不思議 F800GSのバリバリとガサツなメカノイズ、ゲロゲロと下品な排気音が懐かしくなってくる
排気音規制などなど、世知辛い世の中になってきちゃったなぁ

リアラックとパニアラックの共存が微妙

リアラックとパニアラックの装着部分が同じ ゆえに他メーカー同士の組み合わせが事実上不可能な状態 ネットで探しても組み合わせて装着している人は見かけない
希望としてはOUTBACK MOTORTEKのパニアラックを取り付けたいが、GIVI箱も取り付けたいので、GIVIのリアラックも取り付けたいところ OUTBACK MOTORTEKのリアラックに汎用ベースを取り付けられる穴がないのも悩ましい しばらくはENDULISTANのトルネード2のお世話になり続けそう

まとめ

買い替えてよかったと思えるバイクで大満足 買い替え直前まではF800GSとのお別れが辛くて仕方なかったけど、今じゃそんな気持ちもなく、次のツーリングが楽しみ
長距離こそ辛そうなものの、オンロードもオフも楽しくなりそう YSPの5年保証と国産のメンテナンス性、経済性も強い味方 気持ち的にチャレンジできなかったことがどんどん消えていく
選んで、買い替えて幸せでした


YAMAHA(ヤマハ) パフォーマンスダンパー TENERE700 BW3-211H0-00

Filed under: F800GS, Motor Cycle, Tenere700

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