年越宗谷岬アタックに失敗した話

宗谷岬への年越アタックに失敗しました。別に怪我とか事故とかそういう失敗ではなく、戦略的撤退で達成できなかったという話です。

戦略的撤退の引き金

とにかく寒い寒い
バッチリだと思っていた防寒もバッチリじゃなかったです。
ただ寒いだけは何も問題ないのですが、これに風が加わると気温は牙を剥いて襲ってきます。
風防などは特に取り付けなかったので、風の当たる胸などがガンガン冷えていきます。
いくら防風と断熱を役割分担して高めたところで、バイクの時速60km/hとか、場合によってはプラスαな速度の強風を1時間も浴び続ける状況に勝てないです。
体の発熱だけじゃ追いつけなくなるくらいに冷えてきます。

思ったよりも怖いスパイクでの雪上走行
スパイクタイヤでの雪道は思っていた以上にガンガン進めて楽しいものでしたが、一部の路面状態ではかなり不安となる場面が何回かありました。
轍が怖いと言われますが、轍よりも一部にボコッと残った氷の方が怖い
MT-21のスパイクタイヤは小さな溝だったりでも動きを奪われがちなところ、ボコッとした氷は転倒するレベルに弾かれたりします。
路面状態によっては河原のでかい石のなかをずっと走っているくらいに不安定
自分だけなら楽しいで終わるんですが、公道なんでバンバン車が走ってます。
それも北海道速度なので8割の車はプラス20km/hで、1割はプラス40km/hくらい
割と事故を覚悟する瞬間が何回かあるくらいに不安定です。

路面は乾燥路面から凍結路面、新雪が積もったものからシャーベット状のものまで
正直細かく分類すると10パターン超えるくらいに路面状況のバリエーションがあります。
それも走っていると変わったり、日の出や夕暮れなんかで変わったり、1日で半分くらいのパターンを走るほどにコロコロ変わります。
オフロード的思考だと楽しいわけですが、これも公道で、、、
とにかくスパイクタイヤだから普通のツーリングのように走れるなんて思っちゃだめです。
完全にオフ遊びというか、オフロード走行をする気持ちでいないと怖い思いをします。

二兎追う者は一兎も得ず カメラが障害に

今回の宗谷アタックで楽しみにしていたのが、美しい雪景色です。
昔は毎年北海道へ行っていたのですが、すっかり行かなくなってからは雪に触れる機会が全然なくなってしまいました。久しぶりの雪景色を写真に収めたりしようとして撮影機材をバッチリ用意したんです。これが1つの敗因
カメラを操作するのにメットを脱いだり、そもそもバイクから降りたりするのが大変面倒
通常のツーリングとは違って、脱いだ分だけ冷えていきます。
少しでもめんどくさがって手袋をつけないと、キンキンに手が冷えていきます。この冷え切った手を温めるのはグリップヒーターなんですが、これもエンジン切っちゃうとあたたまるのに時間かかるし、バイクのグローブだってすぐ冷え切るので、なかなか温度が回復しない
撮影に関してはとにかく億劫になっちゃうくらいに過酷なチャレンジになっちゃうんですよ
宗谷岬にアタックすると、景色を写真に収める行為は別々にやらなきゃいけないです。
どちらもやりたいと思うから、荷物は多くなってオフ走行はしにくいし、写真撮って体は冷えるしになるんです。
いいですか、年越の宗谷アタックはチャレンジなんですから、カメラなどは二の次にしておかないといけないです。

失敗から学ぶ年越宗谷アタック

なかなか失敗の記事はないので、失敗から年越宗谷アタックへの対策を考えてみましょう

1.ドライ路面ではスパイクタイヤのライフが短くなる

スパイクタイヤのライフに関して調べてもなかなか出てこなかったです。
今回に関しては都内〜大洗、苫小牧〜富良野〜札幌〜苫小牧、大洗〜都内の道でスパイクタイヤの走行をしました。
出発前はバッチリピンが張ってました。若干空気圧を下げたまま大洗まできてしまったので、大洗着時にはピンが半分くらいに、、、
北海道ではパンクを心配して1.5気圧からは落としてません。北海道での舗装路率は8割くらい
実際凍結路面でもほとんどがアスファルトみたいな感じなので、完全にアスファルトではない路面は100kmも走行していないと思います。
帰りのフェリーに乗る頃にはほとんどピンが残りませんでした。支笏湖経由の札幌〜苫小牧間は凍結路がありましたが、リアは結構すべる感覚があって怖かったです。
全体の走行距離は1000kmに満たないくらいです。
アスファルト路面を走るとなると、スパイクタイヤのライフはめちゃくちゃ短いです。

帰宅後、リアはほとんどピンが無い状態
フロントはCRFくんの特性上、あまり負荷がかからず長持ちなのは他のタイヤでも同じ感じです。

→解決策
これに関しては現地の雪道が多いところまではトランポを使うくらいしか対策がないでしょう。
北海道の寒さでタイヤ交換は正直おすすめしないですし、荷物も増えて走行中の危険度UPです。
2019-2020はかなり雪が少ないとのことで、日本海側と山間部以外はドライ路面ばかりでした。それも相まってスパイクタイヤのライフには厳しい条件ばかりだったですね
実際、富良野などで軽トラにバイクを積んでいる人を見たりしました。温かい車という安全地帯があることも安心材料です。
今回の年越時の宗谷岬は風速が17m/sにもなる大荒れだったので、万が一車でアタックできるという保険にもなりますね
2人と2台でアタックする場合はバイクだけフェリーに積むよりも安いかも、、、?
ただ、バイクに乗り換える場合はトランポをどこへ置くかが問題になります。

2.余計なものを持っていくな

キャンプは荷物量を減らしてこそ玄人と言いますが、そんな考えが顕著に出てくる挑戦でした。
デジイチやドローンなどの大きな撮影機材などは持っていくと破損の心配や重量でめちゃくちゃ不利になります。
ただでさえ着替えやらもしものキャンプ道具やらで鬼積載にならざるを得ないので、できるだけ身軽にするは重要です。
極寒の走行は必然的に防寒具などで荷物が掛け算方式で増えます。バックパッカー的な下着だけ持っていけばなんてことにはならないんです。
宗谷岬にアタックするということだけを考えて荷物を選別したほうが幸せです。

3.一番の防寒対策は防風対策

今回実感したのが、風の寒さが強烈なこと
よく風があるだけ体感温度が下がると言いますが、それ以上に凶暴でした。個人的な感覚では、温度に風の強さを掛け算する感じで寒さがましていく感じです。足し算じゃないです、、、
バイクなんで、走行中はずっと風を受けるわけで、常に防風を考えておかないといけないわけです。

→解決策
その防風ですが、たかが衣服の防風だけじゃ威力弱いです。バイクにウィンドスクリーンなどの風防を取り付けましょう。
ウィンドスクリーンはもちろんですが、足にあたる風も体温を奪う威力で言えば強力です。レッグシールドもあるといいですね
FTRで挑戦していた人はソリを加工したようなバカでかいレッグシールドを取り付けてました。そのくらいの対策をしないと寒いです。
そういう意味でカブは風防面でかなり有利ですね。オフロード走行性能が低い点とはトレードオフですが

4.絶対に無理をしない

夏と違って停まれば休まるわけじゃないです。止まっても体が冷えます。休むにも休める場所を探すほかありません。コンビニは温かいですが、長居はできません。道の駅も夜は閉まってます。年始はコンビニやガソリンスタンドも休んでることが多いです。夏と比べると休める場所はグッと少なくなります。
猛烈に寒い中でちょっと辛いかな程度ならいいのですが、雪の少ない日や気温の高い日(高いと言っても-5度とか)で寒かったら素直に諦めるか、より耐寒対策を強化したほうがいいです。
また、車でしか経験してませんが、ホワイトアウトは本当に怖いです。霧と同様に何も見えなくなります。霧とは違って風も強いので、より過酷になります。ホワイトアウトしたらコンビニなどに逃げ込みましょう。そのまま走行するのは追突などのリスクも大きく危険です。

5.バックアップ手段は必ず用意

無理をしない場合や、万が一のバックアップを用意しておきましょう。
泊まるのバックアップはテントやシュラフなどですね。ルートで言えば他のルートも考えておきましょう
食べ物も万が一を考えて高カロリーな非常食を用意しておいたほうがいいです。
とにかく停まってる時間はもったいないというより、それだけで体力を消耗します。


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Filed under: CRF250L, Motor Cycle, ツーリング

2 Comments

  1. もしや苫小牧のホテル駐車場でおしゃべりをさせて頂いた方ですか??
    ※人違いならごめんなさい※

    戦略的撤退は英断ですよ!
    怪我もなく帰還できたようで良かったです。

    ピンの写真が見辛いのですが。
    マカロニ型でしょか?

    以下、夢の話です。
    札幌のカンガルーと言う店でマカロニ型の前後タイヤを入手し3シーズン目ですが。まだ全然ピンは残っております。耐久性が非常に高く、ピン寿命を全く気にしなくても良いので個人的にはお勧めです。7000キロ程度は持つと思います。
    –夢の話終わり

    今回は耐久性の低いピンだったのかもしれませんね。
    またトライさせるのであれば上記お店への相談をおすすめします。
    (タイヤとピンのセット組み合わせで提案をして頂けると思います)

    大きめのレッグシールドやスクリーンは転倒するとボロボロに壊れます笑
    一長一短だと思います笑

    寒さにに関しては恐らくミドルウェアの能力不足ではないでしょうか?
    もう少し保温性の高いものを着込まれればスクリーン無しで問題ないかと思います。

    少しでもお役に立てれば幸いです。
    いらぬお節介に感じさせてしまいましたらごめんなさい。

    • さんふらわあから一緒の方ですか!?
      人違いではないです!
      久しぶりにブログ開いて、コメントついててびっくりしました。

      お互い怪我なく帰宅できたようでよかったです。

      タイヤはカンガルーさんで入手したマカロニのフルピンです。
      もしかしたら、自分の空気圧管理がかなり悪かったのかもしれませんね、、、
      荷物と、もともと重いCRFの影響もありそうですが

      ちゃんとしたスパイクタイヤのライフは調べてもなかなか出てこなかったので有益な情報です!ありがとうございます。

      ウェアも能力不足ですね
      ザックなどで衣服が押しつぶされたところが余計に冷えてた気がします。
      ここが一番研究不足だったかもです

      もうチャレンジするものかと思ってましたが、話を聞いてしまうと再チャレンジしたくなりますね
      準備不足を反省して、数年後の再チャレンジの計画を練るのが楽しみになってきました。


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