4連休のツーリング先でバイクの鍵を紛失、まぁまぁ大変だったので現地の対応とその後の対応策を備忘録として
バイクの鍵を落とす
山梨県と長野県にまたがる川上牧丘林道の頂上、大弛峠に金峰山への登山口があります。
当日は金峰山へ登山後、長野側の荒れたダート楽しみ、林道終わりにあるキャンプ場で1泊する予定でした。
大弛峠自体が標高2300mで、金峰山は2500mと高低差少なく2000m級の登山を楽しめる場所です。頂上付近は森林限界でちょっと変わった世界を見られます。
下山後、バイクに戻り林道装備に着替えようとした瞬間、ズボンにカラビナで引っ掛けていたバイクの鍵が無いことに気づきます。残念なことに、カラビナにはタイルやGIVI箱の鍵、シェルイージーペイなど、バイクの鍵意外はすべて残っていました。
まずは周囲の捜索と登山開始までに歩いた場所を捜索、大弛峠にある小屋に落とし物として届けられていないかも確認します。ちなみに、ここの小屋で働く人はこちらを人として接してくれません。店の人以前に、人として最低な態度なのでご注意を
当然なことに見つからず。ズボンのポッケや林道装備、ザックの中身をすべてひっくり返しましたが見つからず。下山時にゲリラ雷雨に降られたので、メット含め林道装備はびしょ濡れ、登山靴も浸水に耐えきれずグズグズだったり、精神的なコンディションもズタボロでした。
1時間弱ほど探して登山道のどこかで落としたと判断、ここからどうするか考えることにしました。
レッカーを呼ぶ
鍵をなくした場合の手段ですが、
1.レッカーを呼ぶ
2.鍵屋を呼ぶ
3.体だけ帰宅し、スペアキーを持って来てバイクを動かす
4.スペアキーを届けてもらう
この4つくらいでしょうか。
3.は最寄り駅までのタクシー代だけでいくらかかるかわからないくらい遠かったので諦め
4.も迷惑をかけるわけにはいかないと最終手段にしました。
結果、1.のレッカーを呼ぶことにします。唯一運が良かったことですが、YSPで新車を買うとクラブYSPという保証に入れ、距離無制限のレッカーを呼ぶことができます。今回は自宅から100km以上も離れており、任意保険のレッカーでは超過分の費用でかなり取られていたかと思います。
保険屋への電話で鍵屋の存在を教えてもらいましたが、実際のところTenere700はイモビライザー付きなので、複製ができたとしてもエンジン始動はおそらくできなかったかと思います。
携帯の電波を掴む
金峰山への登山ルートや、金峰山頂上はバッチリ携帯の電波が入ったのですが、大弛峠は携帯の電波が入らなかったです。仕方がないので、川上牧丘林道を長野側に数百メートル歩いたところで電波が入るスポットを見つけ、保険屋に連絡することにしました。
レッカー業者が決まった後、レッカー業者からの連絡もあるので、バイクと電波の入る位置を数回往復する羽目になりました。勾配はあるので、追加の登山をしているようで、最後の方は膝にくる状態でまぁまぁ辛かったです。
保険会社に電話し始めたのは16時頃。電話してから2時間半後にレッカーが到着することになりました。
保険屋とレッカー業者がピックアップ場所を間違える
山奥なこともあり、保険会社がうまくピックアップ場所を把握できなかったようです。正直電話の担当者もGooglemapの使い方が上手ではなく、場所を伝えるのにかなり苦労しました。こちらの検索結果と同じ結果にならないとは不思議なこともあるもんですね
結局、レッカー業者も場所がわからないままあちこち回っていたようです。更にレッカー業者も携帯の電波が入りにくく、通話がかなり困難な状態。結局レッカー車が到着したのは20時半と、本来の到着時刻から大幅に遅れてのピックアップになりました。この時点で帰路としての終電は望めなかったので、泊まりの選択肢を余儀なくされることになりました。
レッカー
ハンドルロックがかかったままなので、レッカーはクレーンで持ち上げるタイプです。人生で5回ほどレッカーを経験してますが、クレーン式は初でした。
作業中はエンジンや作業等はつけっぱなしなのですが、駐車場では車中泊、近くにはテン場があったりして、かなり気まずい状況になります。とはいえ、致し方ないので心配して話しかけてくれた人には挨拶をしておきました。
任意保険屋のレッカーであれば、大半は現地で降ろす際に困るから、助手席乗ってついてきてくれると嬉しいパターンになります。保険屋からするとNGなやつですが、レッカー業者からすると現地で下ろして終わりにしたいわけですね。
ただ、今回のYSP特典についてきた保険屋ZuttoRideでは必ず中間保管をするルールらしく、現実的にレッカー車の助手席に乗ってもいいルールを排除してます。交通費の手当も出ないので、帰りは自腹です。中間保管から自宅まではZuttoRideのレッカー車だと言っていたので、ここで経費削減をしているのでしょう
とは言え、今回のレッカーは人里まで1時間の場所なので、特例として助手席に乗っていいことになりました。最寄り駅の塩山まで乗せてもらうことになりました。
宿泊先探し
塩山駅についたのは22時30分でした。終電は30分前に終わっています。仕方がないので宿泊先を探しますが、どこも満室。万が一空いていたとしても、連休価格で1人12000円以上はすることになります。
レッカーの方が好意で自宅に来なよとは言ってくれたものの、やはりご家族からはあまりいい返事をもらえていなかったようでした。ひとまずレッカー会社のある都留まで移動することにしました。
都留に到着後、各所ビジネスホテルなどをあたりましたが、やはり満室で宿泊難民となります。ダメ元で都留市駅に向かうと駅舎は無人で大きな待合室があったので、野宿することにしました。
数年ぶりの野宿
お金の無い大学生や新卒時代に野宿は何度かやっていましたが、駅のベンチで寝るのは初でした。とはいえ、慣れないことの連続と不安、当然登山の疲れもあり眠気はピークでした。
無人駅で終電終わりとはいえ、地元民が自販機を使いに来たり、案内を見に来たりはしました。そんなのも相手していられるほど体力は残ってなくでしたが、1人自称マジシャンの方が話しかけてくれました。
自称マジシャンの方はコロナで1年ほど仕事が無い状態だとか。それでも自分を励ますようにスプーン曲げのレクチャーをしてくれたり、練習用スプーンをくれたりしました。今となっては話をしてくれるだけで落ち着いていたのかなという感じでしたが、スプーンをもらった直後は寝たらスられるんじゃないかという余計な不安にしかなりませんでした。
実際はスられることもなく、どこか懐かしい、コロナ前の旅行者に話しかけてくれる現地人の優しさを感じられることができたと思います。
始発で帰宅
帰路は始発の富士急行線で大月まで、大月からは中央線直通の電車で一気に都内まで抜けられます。始発は6時でしたが、都内に到着する頃には8時頃と、始発に乗ったとは思えないくらいには混雑します。
正直、カチカチの狭いベンチでは寝返りも打てず、体中が痛いままでの移動で辛いです。
朝方なんとか帰宅し、びしょ濡れのものは軽く洗って干すところまでしました。完全に昼夜逆転、自律神経も狂うほどに何もかもがぐちゃぐちゃになる身体的、精神的疲れでした。
バイクの受け取り
バイクの受け取りはZuttoRideからの連絡をまつことになりますが、レッカーした次の日の夜中に電話がかかってくる状態でした。
自宅まで運ぶのには週明けからとのことで、早くても中2日以上はかかることに。正直かなり遅いなと感じました。レッカー時にオフブーツをネットでシート固定したため、ゲリラ雷雨がないうちに返却してほしいと思っていたところです。
結局のところ、台風到来に備えて休日の稼働を増やしたとのことで、電話の次の日に届けてもらうこととなりました。ただ時間はわからないからずっと家にいてくれとのこと。4連休のすべてが潰れることになりました。
スペアキーの再作成
現状回復するまでにはスペアキーを作って置かなければなりません。テネレ700のスペアキーは作成手順が面倒で、正直ここはBMWのほうが手間なく料金も安かったなと思ったところです。
YSPにてブランクキーの発注受け取り→鍵屋でスペアキーの作成→YSPにてイモビライザーの登録という手順を踏まなければなりません。ちなみに、ブランクキーは7500円とかなり高額です。イモビライザー登録は無料でやっていただけるようでした。
ただ1つ問題なことに、通常の鍵屋はブランクキーを使ってのスペアキー作成は嫌うようで、結構な確率で断られるとのことです。確かに失敗できない上に、鍵屋で扱うブランクキーより硬度が高いという難点があります。それゆえ、スペアキーの作成は通常のキー複製よりも加工金額が上がるそうです。調べた限りでは1000円から3000円くらいとのこと
テネレ700のスペアキーはマスターキーの赤鍵を含め3本までしかイモビライザーに登録できないとのことで、紛失したスペアキーは無効になるという点はちょっと安心でした。とはいえ、あのだだっ広い山で見つけた鍵を我が家のテネレに試そうとする確率なんて天文学的可能性な感じですが。
今後の対策
現地で鍵を落とすなんてこと、考えてみれば今まで起きなかったのが不思議なことに感じます。対策をしないとまずいと思うので、いくつか紛失対応策を考えておきたいと思います。
カラビナの新調
カラビナを登山用のロック機構付きに変更してみようと思います。今回はロック機構のないカラビナだったので、何かの拍子で抜け落ちたのかもしれません。また、カラビナに通す際にうまく通せてなかったのかも。
正直、ロック機構を外す手間はありますが、その一手間でしっかり通ったことの確認、不意の落下が防げればかなり紛失リスクは避けられると思います。
余裕があればカラビナに引っ掛けてポケットにも仕舞えるような形になるとより安全かもですね
スペアキーを車両に装着する
これはやる、やらないの判断もしなければですが、カラビナを変えたところで落とす可能性がゼロになるわけではありません。それではそのバックアップを用意すればいいじゃんという発想です。
スペアキーをカウルの裏などに貼り付けておくことで、万が一の紛失でもエンジンを始動して帰宅することができます。
車用には磁石で車体裏に取り付けられるケースが売られていますね。
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ただ、盗難リスクが上がるというデメリットがあります。万が一スペアキーの場所やスペアキーの装着がバレていると、鍵を壊すことなく乗り続けられてしまうので盗まれやすくなります。
そこはネジ一本で外せるカウルの裏に取り付け、ネジ回しだけ簡単なものを携帯する、もしくは現地で借りるで対応しても良いかもです。
今回は不運が重なって少し命の危機を感じる状態になりました。
車両のキー紛失は割と起きると思うので、これを機会に対策をしておいたほうが良いと思います。
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